スポーツダーツプロジェクトではダーツを誰もが楽しめるスポーツとして認識してもらえるよう様々な取り組みを行っています。今回はその一環として、小学校の夏休みにダーツの体験講座を行いました。
7月24日、東京都大田区立志茂田小学校にて行われたダーツの体験講座では、44名の児童に様々なゲームを体験してもらい、ダーツの魅力を感じてもらいました。
このレポートでは実際に行われた体験講座の様子をご紹介します。
4年目を迎えるダーツの体験講座

大田区の小・中学校では夏季休業中に児童・生徒の個性や能力を伸ばすための講座を開設し、体験活動の充実を図ることを目的とした、『夏休みわくわくスクール』を実施しています。このスクールではスポーツダーツのほかにも『剣道体験教室』や『サッカー教室』など様々な講座が用意されています。
志茂田小学校でのダーツの体験講座は今年で4年目を迎えます。初年度から多くの生徒が参加し、今年は全学年から44名の児童に参加してもらえるほど人気の講座となっています。
誰も置いていかない体験プログラム
今回参加した生徒に聞いてみると、約4割が昨年度の体験講座にも参加していました。その児童たちは家にダーツが置いてあったり、ダーツが好きな生徒が多いのですが、もちろん初めて参加する生徒もいます。
そのため、みんなが楽しめるよう様々な工夫を凝らして体験講座が行われました。
①ダーツボードを床においてダーツを落とす

まずはみんなにダーツを投げるのではなく落としてもらい、手から離れる感覚、ダーツボードにダーツが刺さる感覚を感じてもらいました。
経験したことがある子は「こんなの簡単だよ!」と言いながらも、ブル(真ん中)に刺さると喜びを隠しきれない様子でした。初体験の子もダーツが刺さるイメージを持てている印象でした。
②実際にダーツボードにダーツを投げてみる

先ほど持ってもらったイメージをもとにダーツを投げてみると、思っているよりボードに届かない子も。
それでもあきらめず、講師や保護者の方々に教えてもらいながら少し上向きに投げてみると徐々に刺さるようになってきました!
届くのが難しい子には1対1の特別レッスンを行います。上手くいくまであきらめず努力する児童の姿に胸を打たれました。
③決められた場所を狙え!ダーツミッション

ボードの上部を狙ったり、インナー(トリプルリングの内側)を狙ったりと様々な場所を狙うミッションが全部で3枚、18個用意されていて、全種類クリアを目指してもらいます。
決められた場所に3本中2本入れるとクリアなので、1本目を入れて、2本目を外した後の3本目のみんなの緊張感はスポーツの醍醐味を存分に味わえました。
見ていて、この企画はとても集中力を鍛えられるなと思いました。
「あと1個で3枚目に行く!」と意気込んでいた子は惜しくも時間内に3枚目に到達することはできず、踊りながら悔しがっていました。(笑)

④自分で得点を計算してみる!カウントアップ

続いてはダーツを楽しみながらみんなの計算力を鍛えるカウントアップ。自分の得点を自身で計算して出してもらいます。
シングルやブルに入ると計算しやすいものの、ダブル、トリプルに入ると計算は一気に難しくなります。
練習として講師が「19のトリプルは~?」と聞くとものの数秒で「57!!」という声がたくさん聞こえてきて小学生の暗算力に驚かされました。
今回は限られた時間だったため2ラウンド(6投)のみ行いましたが、みんな熱心に得点の計算をしていました。
この様子にはお手伝いいただいた保護者の方も、
「楽しみながら算数の勉強になるのがすごくいいですね!小学生は待つことが苦手なので、他の子が投げている間に計算をして、終わって他の子が投げている様子を少し見ていると自分の番が回ってくる。時間も有効活用ができて飽きも来ない、とてもいいゲームだと思います!」
と、とても好印象でした。
そんな話をしていると、

みんなびっくり!なんとハイトン(3投で150点以上の得点を取ること)を出した子が!
みんなが書いてくれた感想にもこのことを書いてくれて、ここからダーツにハマってくれたらいいなと願っています。
⑤チームで協力!すべてのナンバーにダーツを投げるチャレンジ

最後は4-5人でチームを組み、1から20までのナンバーとブルにすべて当てるチャレンジです。
用意されたボードに当たったナンバーのパーツを埋めていき、全部のパーツを埋めていきます。分担して作業を行うチームや、「代わるよ!」といった声が聞こえてきて、みんなの協調性の高さに感動しました。
全部で2回チャレンジを行いましたが1回目は1チームがクリア、2回目には3チームがクリアと、とてつもない速さでダーツのスキルも上達していきました。
最後はみんなでお片付け!

すべてのプログラムが終わると率先してみんながゲームに使ったものを元に戻してくれたり、「これはどこに置くの~?」と声をかけてくれたりと、みんなの行動力と優しさを間近で感じることができました。
なんと体育館のお掃除をしてくれる子まで!このようなことは普段からやっていないとできないと思います。

児童のみんな、お手伝いしていただいた保護者の皆様、本当にありがとうございました!
「ダーツは夜のイメージでした」お手伝いしていただいた保護者の方の感想
スポーツダーツ体験講座を以前から準備してくださっている保護者の方にお話を伺ってみました。
ー子どもからのダーツの人気はどのように感じていますか?
「非常に感心しています。毎年とても人気ですし、みんなの楽しそうな姿はとても微笑ましいですね。」
ーご自身はダーツに触れたことはありますか?
「私はあまり機会がありませんでした。ダーツは夜のイメージでお酒が絡む印象でしたね。でも、この姿を毎年見ていると、今はそうじゃないんだなと。家にダーツがある子もいて、昔よりも幅広い層が楽しめるスポーツになったんだなと思います。」
ー小学生など若い年代とダーツの相性についてどのように思いますか?
「非常に良いと思っています。自分の番が回ってくるのが早いので飽きが来づらかったり、男女の違いなどもほとんどないですよね。スポーツ、特に球技などでありがちな苦手意識なども生まれづらいのは、みんなが楽しめていいなと思います。良い所も多いのはもちろん、マイナスな要素が少ないなと感じています。」
子どもがダーツを楽しめる環境づくり
保護者の方の「ダーツ=夜の娯楽、お酒の場」という声があるように、ダーツには今もなお、そうしたイメージが残っているのも事実です。
しかし、ダーツは年代を問わず楽しめる健全なスポーツであり、集中力や計算力を養うといった教育的効果も期待できる競技です。
そこで『スポーツダーツプロジェクト』では、『つくろう!ダーツ部』や、児童館、学校などの教育施設で、子どもたちが安心してダーツを楽しめる環境を整える活動を積極的に行っています。
私たちの取り組みがさらに広がることで、より多くの子どもたちがダーツに親しみ、皆さまにもその魅力を感じていただけたら嬉しいです。
「ダーツを教育施設に取り入れたい」、「このような活動を自分の学校でも行いたい」など、ご検討いただく際には、お問い合わせからぜひご連絡をお待ちしております!